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ハルゼミとエゾハルゼミ (2013年6月4日)

ひるがの高原では、5月の中旬頃から、セミの鳴き声が聞こえてきます。春に鳴くセミは、文字通り「ハルゼミ」と呼ばれるのですが、細かく言うと、ひるがの高原周辺にはハルゼミとエゾハルゼミという2種類のセミがいます。
ハルゼミは、ひるがの高原の中央部に多く、エゾハルゼミは、ひるがの高原の周辺部の山麓から、大日ヶ岳の中腹ぐらいの比較的標高の高い場所にいます。はじめは、単純に標高ですみ分けているのかと思いましたが、図鑑で調べると、ハルゼミは松林、エゾハルゼミはブナ林で発生するということが書いてあります。確かに、湿原が埋め立てられたり乾燥して出来た高原中央部のやせた土地にはアカマツが多く、大日ヶ岳登山口より標高の高い場所にブナが多く生えており、ほぼ植生に合った分布をしていることが分かります。湿原植物園の周囲はアカマツ林が多く、ハルゼミの声が多く聞こえてきますが、時折、遠く大日ヶ岳に近い方の林からエゾハルゼミの声が小さく聞こえてきます。
鳴き声は、ハルゼミが「ムゼー、ムゼー・・・・」という繰り返しが特徴で「ギーギーギー・・・」とも聞こえますが音も控えめであまり気がつきません。エゾハルゼミは、それよりもより騒がしい感じで「ミョーキン、ミョーキン、ケケケケケ・・・・」と鳴き、合唱することも多いです。
ハルゼミは本格的な夏が到来しニーニーゼミやヒグラシが鳴き始める7月上旬ごろには鳴き声を聞かなくなりますが、大日ヶ岳の標高の高いところでは、エゾハルゼミの大合唱が7月の終わり頃まで聞こえてきます。

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