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ニュース記事「日本の里山のチョウやホタルが激減」

今朝の「日本の里山のホタルやチョウが激減」というNHKのニュースの中で、オオムラサキ、ミヤマカラスアゲハ、アカタテハ、ゴマダラチョウ、ジャノメチョウ、イチモンジチョウなどが日本各地で減少というのを聞いてちょっと驚きました。ミヤマカラスアゲハ、アカタテハ、ジャノメチョウ、イチモンジチョウはひるがの高原ではそれほど珍しくないチョウです。副題にもある通り普通種だと思っていました。しかし、減少率が絶滅危惧種に該当するとのことなので、全国的にはかなり深刻な状況だと思います。詳しくは、日本自然保護協会のメディアの方へ/プレスリリースのページをご覧ください。

このニュースを聞いてあらためて思ったのは、ひるがの高原というのは里山環境の動植物が多く生き残っている場所なんだなということです。里山というのは自然を人間が利用して、その結果できた人為的な環境です。しかし、人間の活動により里山ができる前には、それらの生き物たちの多くは、原生の草地などで細々と生き残っていたのかもしれません。原生林という言葉に対して原生草地という言葉は聞いたことがありませんが、人間が手を加えないでも草地として維持されるのは現在の日本ではかなり特殊な環境で、その一つが湿原です。里山の生き物の中では有名なギフチョウも本来は湿原の生き物だと思います。ひるがの高原のギフチョウの多くは現在でも湿原の周辺が主な生育場所です。ひるがの高原は、人間と関わる前の生き物たちの生活を想像することができる貴重な場所だと思います。

しかし、ひるがの高原は昭和40年代以降観光地や別荘地として開発しつくされ、わずかに残された保護地も様々な人為的な影響をうけており、また、保護地以外はほぼすべてが私有地であり、おそらくそのために学術的な対象としてとりあげづらく、大学等の専門機関の研究や調査がほとんどなされてきていません。そして、観光資源としては、ミズバショウのみが常に注目され、それ以外の生き物への関心は一時的に高くなることはあっても長続きはしませんでした。ただし、ミズバショウのおかげで他の生き物も生き残ってきたということもあると思います。

ここに移り住んで20年が経過しましたが、ひるがの高原の自然について、比較的しっかりと調査ができたのは1年間ぐらいで、本職の研究者ではないので仕方はないのですが、時々考えても、考えれば考えるほど混乱し、どう解釈すればいいのかが分からず何年も途方に暮れていました。それは、ひるがの高原に関する調査研究資料というものがあまりなかったということと勉強不足が原因です。最近になって、ようやくひるがの高原の自然について、なんとか分かりやすく説明ができるぐらいの理解ができる目途がたったという気持ちです。今後、このブログに少しづつ書いていこうと思います。

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