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エンコウソウとリュウキンカ

エンコウソウは、リュウキンカの変種とされている植物です。リュウキンカと同じく、湿地や水辺に生えます。ひるがの湿原植物園や分水嶺公園に植えられて増えていますが、ひるがの高原周辺での自生地は不明です。リュウキンカよりも、花期は少し遅いです。エンコウソウという聞きなれない名前の由来については、猿猴(えんこう)というテナガザルに似た伝説の生き物がいて、長い花茎を長い手に見立てたという説明をどこかで読んだ記憶があるのですが、図鑑では猿喉草つまり猿の喉(のど)となっています。一方、リュウキンカは立金花と漢字で書きますが、花茎が立ち花の色が黄金色であることから来ています。リュウキンカもその変種のエンコウソウも花弁のように見えるのは、実はがく片だということで、花弁はないそうです。

リュウキンカ。エンコウソウより花茎は短く立ち上がる。

エンコウソウ。リュウキンカの変種。リュウキンカよりも太くて長く,横に這う花茎が特徴。

エンコウソウ

もう花の時期はほぼ終わってしまいましたが、リュウキンカの仲間であるエンコウソウは、漢字で書くと、「猿猴草」で、「猿」はもちろん「猴」も漢和辞典で調べると「サル」という意味です。先日、園内を案内していたときに、「なぜ、猿なのですか」という質問がありましたが、そのときはなぜだったかうまく答えられませんでした。後で調べてみると、花の付いている茎(花茎)が、同属のリュウキンカが短く立ち上がるのに対して、エンコウソウでは、横に長く這い、それを「テナガザル(猿猴)の腕」に見たてたということらしいですが、テナガザルの腕を連想するとは意外な気がします。

エンコウソウ

エンコウソウ(2009/5/23 ひるがの湿原植物園)


リュウキンカ

リュウキンカ(2007/5/4)

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