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ミズバショウの花はどれ(その2)

ミズバショウの花の白い部分は,仏炎苞(ぶつえんほう)と言いますが,これは花序全体を抱く葉,つまり苞葉(ほうよう)の変化したものです。花序全体を抱く葉というと,タンポポの総苞弁(そうほうべん)を思い出しますが,タンポポの花も一つの花に見えるのは,実は花の集まりで,頭状花序(とうじょうかじょ)とよばれます。しかし,タンポポの場合は,一つ一つの花の花弁はミズバショウのようには退化していません。
ミズバショウの仏炎苞も,タンポポの総苞弁も花序を包んでいる葉が変化したものなのですが,ミズバショウの場合は花弁のように見え,タンポポの場合は蕚片のように見えるという違いがあります。ミズバショウは一つ一つの花の花弁が退化してしまっているので,苞葉が花弁の役割を果たし,タンポポの場合は,一つ一つの花に花弁があるので,苞葉が花弁の役割を持つ必要はないと考えられます。

ミズバショウの花はどれ

毎年,この時期になると地元の小学校2年生の生活科の授業で,ミズバショウの話をしています。
その際に,かならず話題にするのが,「ミズバショウの花のつくり」についてです。白い部分は仏炎苞(ぶつえんほう)という名前がついており,形態学的には花弁ではないということなんですが,本来の花弁つまり形態学的な花弁はどうなっているかというと,真ん中の黄緑色や黄色をしている棒状の部分が,実は小さな花の集まりで,花弁は小さな4枚の黄緑色の花被片(かひへん)とよばれるものに退化しています。
そこで,あらためて「ミズバショウの花はどれですか」という質問について考えると,普通,ミズバショウの花といったら,白い部分も含めて花と理解していますが,チューリップの花と比較すると,チューリップの1つの花にあたるものは,真ん中の棒状の部分にたくさん集まっているということになります。花の集まりもしくは花の付き方を花序(かじょ)というのですが,ミズバショウの場合は,肉穂花序(にくすいかじょ)という名前で呼ばれています。肉穂花序を仏炎苞が包む形の花は,サトイモ科の植物の花に共通する特徴だそうです。

ミズバショウの花。白い部分は,仏炎苞(ぶつえんほう)とよばれ,花弁ではない。

ミズバショウの花(棒状の部分を拡大)。一つの花は,4枚の花被片と4本のおしべと1本のめしべからなる。おしべやめしべは花被片を押し上げて,一度にではなく順番に出てくる。

ミズバショウ

ひるがの高原スキー場のゲレンデ下の群生地で見頃を迎えています。

ひるがの高原スキー場(2014/5/11)

ひるがの高原スキー場(2014/5/11)

ミズバショウ(ひるがの高原スキー場 2014/5/11)

ミズバショウ(ひるがの高原スキー場 2014/5/11)

あやめ沢湿原では見頃は過ぎました。葉っぱが大きくなっています。

あやめ沢湿原(2014/5/11)

あやめ沢湿原(2014/5/11)

ミズバショウ(あやめ沢湿原 2014/5/11)

ミズバショウ(あやめ沢湿原 2014/5/11)

自然観察(ゴールデンウィーク最終日)

ゴールデンウィークも終わりました。ひるがの高原では桜が散り始めています。お天気が回復したので、ゴールデンウィーク最終日、ひるがの高原からお隣の高山市荘川町野々俣まで散策してみました。

ひるがの高原周辺では見られない自生のカタクリです。

カタクリ(荘川町 2014/5/6)

カタクリ(荘川町 2014/5/6)

カタクリ(荘川町 2014/5/6)

カタクリ(荘川町 2014/5/6)

カタクリの群落の中には今年発芽した実生もありました。葉っぱとは似ても似つかないですが、これでも光合成を行い養分を地下に貯め、小さな球根ができるそうです。

カタクリの実生(荘川町 2014/5/6)

カタクリの実生(荘川町 2014/5/6)

カタクリの群落のすぐ横にスミレサイシンがありました。ひるがの高原ではまだ見たことがありません。落ち葉をどけると太い根茎が見えます。他には、キクザキイチゲも数輪咲いていました。

スミレサイシン(荘川町 2014/5/6)

スミレサイシン(荘川町 2014/5/6)

すぐ近くに、タチツボスミレとオオタチツボスミレもありました。スミレの仲間を区別するには、花を前からだけでなく横から撮影して距の色や形、托葉の形などを見ます。

タチツボスミレ(荘川町 2014/5/6)

タチツボスミレ(荘川町 2014/5/6)

オオタチツボスミレ(荘川町 2014/5/6)

オオタチツボスミレ(荘川町 2014/5/6)

小川が流れていて、オオバタネツケバナがありました。他には、出てきたばかりのハンゴンソウもありました。どちらも山菜として利用できます。

オオバタネツケバナ(荘川町 2014/5/6)

オオバタネツケバナ(荘川町 2014/5/6)

ハンゴンソウ(荘川町 2014/5/6)

ハンゴンソウ(荘川町 2014/5/6)

シロモジがたくさん咲いていました。

シロモジ(荘川町 2014/5/6)

シロモジ(荘川町 2014/5/6)

初めて見たミヤマチョウジザクラです。飛騨地方を中心に岐阜県とその周辺県にしか分布しない桜だそうです。残念ながら花は終わっていました。

ミヤマチョウジザクラ(荘川町 2014/5/6)

ミヤマチョウジザクラ(荘川町 2014/5/6)

小さな蝶が目の前に草に止まりました。自宅に帰ってから調べるとシジミチョウの仲間のコツバメでした。ギフチョウと同じく1年のほとんどを蛹ですごし、成虫は春先のこの時期にしか見られない蝶だそうです。羽を縦に閉じて止まるので表側は撮影できなかったのですが、図鑑で見ると表側も大変地味です。地味でも、ギフチョウと同じスプリングエフェメラルです。幼虫の食草は、アセビ、ヤマツツジ、ガマズミ、ボケ、ユキヤナギ、アカショウマとなっています。付近に、ミヤマガマズミがありました。幼虫は葉じゃなくて、つぼみや芽を食べるようです。

コツバメ(荘川町 2014/5/6)

コツバメ(荘川町 2014/5/6)

ミズバショウは、ひるがの高原スキー場が見頃をむかえています。あやめ沢湿原は、葉っぱが大きくなってきました。

ひるがの高原スキー場(2014/5/6)

ひるがの高原スキー場(2014/5/6)

あやめ沢湿原(2014/5/6)

あやめ沢湿原(2014/5/6)

ミズバショウ(あやめ沢湿原 2014/5/6)

ミズバショウ(あやめ沢湿原 2014/5/6)

あやめ沢湿原から自宅までは、徒歩で5分ぐらいです。帰り道の途中で、シラカバの花が咲いているのを見つけました。ヤマナシの花も咲いていました。

シラカバ(2014/5/6)

シラカバ(2014/5/6)

道端には、ミヤマキケマン、タチツボスミレ、セイヨウタンポポが咲いていました。

ミヤマキケマン(2014/5/6)

ミヤマキケマン(2014/5/6)

タチツボスミレ(2014/5/6)

タチツボスミレ(2014/5/6)

ひるがの高原の自然情報

ひるがの高原もようやく新緑の季節を迎えております。
ミズバショウは、ほとんどの湿原で見頃を過ぎ、ひるがの高原スキー場のみで見頃となっています。

ひるがの周辺の雑木林ではコブシは終わりかけ、ヤマナシ、カスミザクラなどが咲き始めました。駒ヶ滝や夫婦滝周辺の岩場では、トウゴクミツバツツジが咲いています。夫婦滝の遊歩道沿いでは、ホクリクネコノメ、ツルネコノメ、コチャルメルソウ、ワチガイソウ、コミヤマカタバミが咲いています。

ひるがの湿原植物園の自然情報

植物園では、ミズバショウ池のリュウキンカが見頃となっています。湿原の中にはショウジョウバカマの花と、少し綿毛が伸びたワタスゲが見られます。
サナエトンボの仲間が5/10に今年初めて園内で見られました。ミズバショウ池では、シュレーゲルアオガエルの声が聞こえてきます。

カタクリ(2013/5/10 ひるがの湿原植物園)

カタクリ(2013/5/10 ひるがの湿原植物園)


フクジュソウ(2013/5/10 ひるがの湿原植物園)

フクジュソウ(2013/5/10 ひるがの湿原植物園)


ユキグニミツバツツジ(2013/5/10 ひるがの湿原植物園)

ユキグニミツバツツジ(2013/5/10 ひるがの湿原植物園)


ミズバショウ(2013/5/10 ひるがの湿原植物園)

ミズバショウ(2013/5/10 ひるがの湿原植物園)


ミチノクエンゴサク(2013/5/10 ひるがの湿原植物園)

ミチノクエンゴサク(2013/5/10 ひるがの湿原植物園)


オオタチツボスミレ(2013/5/10 ひるがの湿原植物園)

オオタチツボスミレ(2013/5/10 ひるがの湿原植物園)


ゼンマイ(2013/5/10 ひるがの湿原植物園)

ゼンマイ(2013/5/10 ひるがの湿原植物園)


リュウキンカ(2013/5/10 ひるがの湿原植物園)

リュウキンカ(2013/5/10 ひるがの湿原植物園)


タベサナエ?(2013/5/10 ひるがの湿原植物園)

タベサナエ?(2013/5/10 ひるがの湿原植物園)

ひるがの高原の自然情報

今年は4月以降4回ほど降雪があり、寒い日が多いです。4月26日にも早朝に雪が降っていました。

★植物の情報
湿原
ミズバショウ:ひるがの高原スキー場の湿原を除いて、見頃となっています。例年より、花は少ないように感じます。
ザゼンソウ:あやめ沢湿原の入口やひるがの高原スキー場では、今が見頃です。
イヌコリヤナギ:湿原の周辺に生えるヤナギの仲間の低木です。
コブシ:湿原の周囲に生える落葉高木。今年は花付きが良かったのですが、霜にやられて花が汚くなってしまいました。

国道沿い
ソメイヨシノやエドヒガンは4月28日頃から咲き始めています。オオヤマザクラは、それより数日早いようです。国道156号線を名古屋方面から登ってくる途中、駒ヶ滝や夫婦滝の周辺で山肌に咲いている桜は、オオヤマザクラです。
夫婦滝のトウゴクミツバツツジはまだ咲いていないようです。


シロモジ:シロモジは丘陵地の雑木林の林縁や林床に生える落葉低木です。ひるがの高原スキー場周辺の雑木林で黄色い花が目立ちます。
タムシバ:コブシと良く似た花をつける落葉低木~小高木。国道156号沿いのものは終わっています。大日ヶ岳山麓の標高900m以上で見頃になっています。

★野鳥の情報
寒い日が多いせいか、まだ夏鳥はあまり見かけません。今年は、早朝の調査をしていないのでそのせいかもしれません。
コムクドリ:最近、湿原周辺などでよく見かけます。
オオジシギ:朝晩に、ディスプレイフライトの音が聞こえます。
カシラダカ:冬鳥なのでそろそろわたっていく時期です。今のところ、4月25日に見たのが最後です。

ひるがの高原の自然情報

先週から今週にかけて寒い日が多いです。朝は氷点下まで冷え込みます。
ミズバショウ 今のところ、例年より花は少なめです。あやめ沢湿原周辺で5分~8分咲きです。
桜 高鷲町大鷲地区では満開です。高鷲町内国道156号線西洞地内でソメイヨシノの開花前線は停滞しています。
コブシ、タムシバ 今年はどちらも咲き年のようですが、ひるがの高原では残念なことに霜で痛んだ花が多いです。

オオジシギ(4/13 ひるがので初認) 4月17日夜9時ごろ、あやめ沢周辺で2羽のディスプレイフライトを確認しました。植物園の池や天然記念物指定地Bでもみかけます。
キビタキ(4/18 ひるがので初認) あやめ沢付近の雑木林でさえずりを聞きました。オオルリとまぎらわしいさえずりでした。
クロツグミ(4/22 ひるがので初認)湿原周辺の雑木林などで、夕方5時以降、さえずりが聞こえてきます。
コムクドリ?(4/22 ひるがので初認)さえずり、姿を確認しました。遠かったので自信が無いです。
フクロウ(4/19 ひるがの)昨年、10月にあやめ沢付近の雑木林で声を聞いて以来、同じ場所で久しぶりに声を聞きました。

鷲ヶ岳の別荘地では、オオルリ、ヤブサメ、センダイムシクイのさえずりが聞こえました(4/18 鷲ヶ岳で初認)。

あやめ沢湿原

今日、午前中、高鷲観光協会ひるがの支部の方々で、あやめ沢湿原と国道156号線をはさんで向い側の湿原のロープ張り作業がありました。あやめ沢湿原の木道渡り板や手すりが一部破損していますので、足元にお気をつけ下さい。

あやめ沢湿原

あやめ沢湿原(2013/4/20)


あやめ沢湿原のミズバショウ

あやめ沢湿原のミズバショウ(2013/4/20)


あやめ沢湿原のミズバショウ

あやめ沢湿原のミズバショウ(2013/4/20)


あやめ沢湿原のミズバショウ

あやめ沢湿原のミズバショウ(2013/4/20)


あやめ沢湿原のミズバショウ

あやめ沢湿原のミズバショウ(2013/4/20)


大日ヶ岳の雪形

大日ヶ岳の雪形(2013/4/20 あやめ沢湿原から撮影)

ひるがの高原の自然情報

ミズバショウ 今年は例年より早いようです。天然記念物指定地Bの湿原では、10株以上見られます。また、ポケットパークの湿原でも数株が見られます。(2013/4/9)
ザゼンソウ 天然記念物指定地Bの湿原、ポケットパークの湿原でかなりの数の株が見られます。(2013/4/9)
ワタスゲ 花(綿ではないです)が、ポケットパークの湿原で見られます。(2013/4/9)

あやめ沢湿原、ひるがの湿原植物園は整備中および開園前準備中です。(2013/4/9)

ツバメ 数羽が鳴きながら飛び回っているのを確認しました。(2013/4/9)
ウグイス ホーホケキョとさえずっています。3日ほど前からさえずりが聞こえたそうです。(2013/4/9)

ポケットパークの湿原の様子(2013/4/9)

ポケットパークの湿原のミズバショウ(2013/4/9)

ミズバショウ(2013/4/9)

ミズバショウ(2013/4/9)

ザゼンソウ(2013/4/9)

ワタスゲ(2013/4/9)。花の時期は、このように目立たない。綿が見られるのは5月中旬以降。

お問い合わせはこちらへ
岐阜県郡上市高鷲町/高鷲観光協会
TEL 0575-73-2241(開園中)0575-72-5000(冬 季)
開園時間:午前9時~午後4時半
開園期間:4月下旬~10月上旬(定休日無)※変更の場合あり