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2011年05月
カッコウに続いて、同じカッコウ科のホトトギスもやってきました。いつもならカッコウより少し遅れて1週間から10日ぐらい前に声を聞くのですが、季節はずれの台風と、例年よりかなり早い梅雨入りで、天候不順で外に出られず、今日が今年最初にひるがので声を聞いた日となりました。カッコウと同じく、ホトトギスも高いこずえの上で鳴くので、なかなか姿を見ることはありません。写真は、3年前に撮ったものですが、500mm以上の望遠でもこれがせいいっぱいです。
ホトトギス 2008/5/27撮影
2011年5月31日 10:53 PM
タグ:ホトトギス, 野鳥
アズキナシは、新緑の頃、雑木林の中で白い花を咲かせます。その花は背丈よりかなり高い枝についていることが多く、新緑の緑の中ではあまり目立ちません。そのせいで、今まで数回ほどしか花は見たことはありませんでした。今日は、昨日までの季節はずれの台風による強風で花が若枝ごと地面に落ちていたので気がついたのでした。花の写真を撮ろうと思っても、望遠レンズかもしくは脚立を立てないと撮れないぐらい高い位置にあります。花の匂いを嗅いでみましたが、ガマズミの仲間に似ていて、良い匂いではありません。アズキナシはナナカマドの仲間ですが、ナナカマドの花の匂いも同じような匂いだった気がします。
結局、今日は、1箇所の林で1本、もう1箇所の林で2本の合計3本の花をつけているアズキナシの木を見つけました。ズミやエゴノキに比べると、数はずっと少ないです。
アズキナシの花
アズキナシの花
アズキナシの花
アズキナシの幹
2011年5月31日 10:40 PM
タグ:アズキナシ
初夏の頃、ひるがの高原では、伸び始めた牧草の中にたくさんのタンポポが咲いているのが見られます。このタンポポは、ヨーロッパが原産の外来種のセイヨウタンポポです。一方、東海地方には、日本産のタンポポとして、ヒロハタンポポという種類があるのですが、これまで、ひるがの高原では見たことがありませんでした。それが、今年の5月の中ごろに郡上八幡で、セイヨウタンポポとヒロハタンポポが一緒に生えている場所を見つけました。これが郡上市内で始めて日本産タンポポを見つけた時だったのですが、それから約1週間後にひるがの高原でも、ヒロハタンポポを発見しました。それから数日後にひるがの高原の別の場所でも1株見つけました。これまでひるがの高原にはセイヨウタンポポしかないと思い込んでいたから見つけられなかったのかもしれません。
区別のポイントは総苞が反る(セイヨウタンポポ)か反らない(ヒロハタンポポ)ですが、同じ場所で生えているもの同士で比較すると、セイヨウタンポポの方がヒロハタンポポよりも葉の切れ込みが深く、頭花が大きいので、すぐに見分けが付きます。
園内には、他にシロバナタンポポがありますが、園外ではまだ見たことがありません。
牧草地のセイヨウタンポポ
ひるがの湿原植物園のセイヨウタンポポ
郡上八幡のセイヨウタンポポ
郡上八幡のヒロハタンポポ
ひるがの高原のヒロハタンポポ
2011年5月29日 10:38 AM
初夏のひるがの高原で、ズミの花が咲く頃に、ズミやイヌコリヤナギに毛虫がたくさん付いていることがあります。毛虫はオビカレハという蛾の幼虫です。写真のように糸で巣を作ります。見た目とは違って毒はないのですが、集団発生して気持ち悪いので嫌われ者です。写真をクリックすると大きく表示されますが、気持ちの悪い人はクリックしないようにしてください。
オビカレハの幼虫 あやめ沢湿原
オビカレハの幼虫 分水嶺公園
2011年5月29日 10:07 AM
サワグルミは、クルミ科の落葉広葉樹です。ひるがの高原周辺では、かます谷沿いに自生が見られます。サワグルミの実は、クルミの仲間ですが、食べられません。一方、ひるがの高原の湿原の周辺などに多く自生し、実が食用になるクルミは、オニグルミといいます。
区別するポイントですが、花の時期にふさふさした雄の花序が垂れ下がるのは両種とも同じですが、雌の花序が下向きに垂れ下がるのがサワグルミ、上向きに付くのがオニグルミです。ただし、高木なので、双眼鏡がないと確認しづらいです。サワグルミは、夫婦滝周辺や長良川源流碑付近の川沿いで見ることができます。オニグルミは、あやめ沢湿原の木道沿いや周辺で見ることができます。
サワグルミの花 叺谷
サワグルミの花 叺谷
サワグルミの果実 叺谷
オニグルミの雌花序 高山市荘川町岩瀬
オニグルミの雄花序 高山市荘川町岩瀬
オニグルミの若い果実 あやめ沢湿原
2011年5月29日 9:27 AM
最近、高鷲町内を国道156号を車で移動していると、白い花がついている木が目立ちますが、樹形から判断すると、ミズキのようです。一方、昨年は多く見られたウワミズザクラがあまり目に付きません。そういえば、今年のひるがの高原では、コブシの花がたくさん見られました。
ところで、5月27日に東海地方でも梅雨入りが発表されました。統計がとられるようになって以後3番目の早さだそうです。台風も接近しているとのことで、今日から明日に掛けて大雨の予想です。
高鷲町大鷲 長良川沿いのミズキ
2011年5月29日 9:03 AM
園内の芝生にスミレが咲いています。
芝生のスミレ
2011年5月24日 10:28 AM
最近、ひるがの高原やその周辺の山々で新緑の中に咲いている山桜は、カスミザクラという種類です。桜には、大きく分けて、葉の展開前に花が咲く種類と、展開と同時に咲く種類がありますが、ソメイヨシノや、荘川桜・臥龍桜など県内各地で名木・古木となっている桜の多くは葉の展開前に花が咲きます。一方、カスミザクラは、葉の展開と同時に花が開きます。ひるがの高原には、街路樹として植えられているソメイヨシノ、オオシマザクラ、サトザクラ、そして山桜の一種であるカスミザクラ以外に、カスミザクラと同じく葉の展開と同時に花を咲かせるオオヤマザクラ、葉の展開前に花が咲くエドヒガン(またはアズマヒガンともいう。荘川桜・臥龍桜もこの種類。)が見られます。
カスミザクラ
カスミザクラの花
カスミザクラの花
2011年5月21日 4:56 AM
今日は、久々の朝からの快晴です。毎年この時期になると南からカッコウが渡ってきます。ここ数年は毎年5月16日に初鳴きを聞いていました。今年は、15日前後が天気があまり良くなく、気温も低めで、カッコウの声も聞くことができませんでしたが、今朝、自宅の窓を開けると遠くのほうからカッコウの声が聞こえてきました。
カッコウは、ユーラシア大陸に広く分布する鳥で、冬季は、東南アジア、インド、アフリカ大陸の熱帯地方から南アフリカで越冬し、夏に北上し繁殖を行います。他の種類の鳥、例えば、オオヨシキリ、ホオジロ、モズなどの巣に卵を生みつけ、雛は産み付けられた巣の親鳥に育ててもらうという特異な生態をもちます。植物園でも、8月のはじめに、モズが仮親となっていると思われる事例を観察したことがあります。その際、巣立ったもうかなり大きなカッコウの幼鳥が動き回るのを、仮親のモズが追い掛け回していました。
カッコウの幼鳥 2008.8.5撮影
2011年5月18日 12:06 PM
タグ:カッコウ, 野鳥
夫婦滝周辺の岩場に生えているトウゴクミツバツツジが咲き始めました。植物園のミズバショウ池のそばにあるのはユキグニミツバツツジです。どこから移植されたものなのか不明です。
夫婦滝のトウゴクミツバツツジ
夫婦滝のトウゴクミツバツツジ
夫婦滝のトウゴクミツバツツジ
2011年5月16日 11:47 PM
今日、たまたま昭和20年前後のひるがの高原や上野の様子を知る方とお会いして聞いた話です。
かつて、現在のひるがの高原の国道沿いにあたる場所には、今のポケットパークのあたりからひるがの高原スキー場を通り過ぎたあたりまで延々とミズバショウが咲き誇っていたそうです。そして、村内の鷲見の方が、昔は田植えが6月初旬頃だったらしいのですが、花が終わって大きく広がったミズバショウの葉がたくさん採れるので、肥料にするためにたくさん刈り取って落合の田んぼに敷き並べたということです。落合というのは、ひるがのからやまびこロードを進んで行くと、牧歌の里の少し手前の川のあたりの地名です。その川には落合橋という橋がかかっています。
また、かつて、板橋から上野にかけてはアカマツ林が広がっていて、そこを開墾する際に伐採した松を燃やした煙が何日も消えなかったことや、その松林の名残がやまびこロード沿いに今でも残っていること、湿原植物園のヒツジグサは、今のひるがの親和会館の裏手のあたりから移植したことなどを聞きました。その場所の近くにはヒツジグサはかろうじて残っていますが、数年前までひるがの高原で最後の野生のコウホネがあった場所は埋め立てですべてなくなってしまったことを伝えるととても残念そうでした。
また、機会があればいろいろとお話を聞いてみたいです。
2011年5月15日 10:35 PM
あやめ沢湿原には、湿原の手前の林の中に大きな樹が一本生えています。この樹は10年ほど前から気になっていたのですが、目立つ花も実もつけたこともなく、何年も名前が分からず、こんなに大きいのに花が咲かない樹なんてあるのだろうかとずっと不思議に思っていたのでした。ところが、数年前にミズバショウの花が咲いている時期に、まだ葉が全然ついていない枝に黒っぽい塊がついているのを見つけました。しかし、数日たっても花のようなものは見られず、いつの間にか葉が伸びだして、例の黒い塊は無くなっていたのでした。しかし、葉のつき方や冬芽がアオダモの仲間に似ているので図鑑を調べてみると、どうやらヤチダモではないかということになったのでした。翌年、同じ時期に黒い塊を望遠レンズで覗いてみると黒い塊から黄色いふさふさしたものが伸びています。花びらがないのですが、どうやらこれが花のようです。これでは、ミズバショウに見とれていて気がつかないはずです。
そして、実がならないのは、これが雄の樹だったからでした。つまり、ヤチダモは雌雄別株の植物でした。
ヤチダモは、湿地に生えるトネリコ属の落葉高木です。アオダモと同じように野球のバットなどに利用されます。
ひるがの周辺では、この仲間ではマルバアオダモが多く見られます。マルバアオダモは、ヤチダモやミズバショウの花の時期が終わった後に咲き始めます。ヤチダモとは違い、マルバアオダモの白い花は初夏の新緑の中でよく目立ちます。
花の時期のヤチダモの木
ヤチダモの花
ヤチダモの雄花
ヤチダモの雄花
ヤチダモの雄花
2011年5月15日 10:16 PM
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