管理者ブログ
2011年05月15日
今日、たまたま昭和20年前後のひるがの高原や上野の様子を知る方とお会いして聞いた話です。
かつて、現在のひるがの高原の国道沿いにあたる場所には、今のポケットパークのあたりからひるがの高原スキー場を通り過ぎたあたりまで延々とミズバショウが咲き誇っていたそうです。そして、村内の鷲見の方が、昔は田植えが6月初旬頃だったらしいのですが、花が終わって大きく広がったミズバショウの葉がたくさん採れるので、肥料にするためにたくさん刈り取って落合の田んぼに敷き並べたということです。落合というのは、ひるがのからやまびこロードを進んで行くと、牧歌の里の少し手前の川のあたりの地名です。その川には落合橋という橋がかかっています。
また、かつて、板橋から上野にかけてはアカマツ林が広がっていて、そこを開墾する際に伐採した松を燃やした煙が何日も消えなかったことや、その松林の名残がやまびこロード沿いに今でも残っていること、湿原植物園のヒツジグサは、今のひるがの親和会館の裏手のあたりから移植したことなどを聞きました。その場所の近くにはヒツジグサはかろうじて残っていますが、数年前までひるがの高原で最後の野生のコウホネがあった場所は埋め立てですべてなくなってしまったことを伝えるととても残念そうでした。
また、機会があればいろいろとお話を聞いてみたいです。
2011年5月15日 10:35 PM
あやめ沢湿原には、湿原の手前の林の中に大きな樹が一本生えています。この樹は10年ほど前から気になっていたのですが、目立つ花も実もつけたこともなく、何年も名前が分からず、こんなに大きいのに花が咲かない樹なんてあるのだろうかとずっと不思議に思っていたのでした。ところが、数年前にミズバショウの花が咲いている時期に、まだ葉が全然ついていない枝に黒っぽい塊がついているのを見つけました。しかし、数日たっても花のようなものは見られず、いつの間にか葉が伸びだして、例の黒い塊は無くなっていたのでした。しかし、葉のつき方や冬芽がアオダモの仲間に似ているので図鑑を調べてみると、どうやらヤチダモではないかということになったのでした。翌年、同じ時期に黒い塊を望遠レンズで覗いてみると黒い塊から黄色いふさふさしたものが伸びています。花びらがないのですが、どうやらこれが花のようです。これでは、ミズバショウに見とれていて気がつかないはずです。
そして、実がならないのは、これが雄の樹だったからでした。つまり、ヤチダモは雌雄別株の植物でした。
ヤチダモは、湿地に生えるトネリコ属の落葉高木です。アオダモと同じように野球のバットなどに利用されます。
ひるがの周辺では、この仲間ではマルバアオダモが多く見られます。マルバアオダモは、ヤチダモやミズバショウの花の時期が終わった後に咲き始めます。ヤチダモとは違い、マルバアオダモの白い花は初夏の新緑の中でよく目立ちます。
花の時期のヤチダモの木
ヤチダモの花
ヤチダモの雄花
ヤチダモの雄花
ヤチダモの雄花
2011年5月15日 10:16 PM
今朝、自宅近くの木の上で、いままであまり聞いたことがない長くて不規則な節回しでさえずる白っぽくてちょっと大きめの鳥を目撃しましたが、近づいたら逃げてしまいはっきりと確認できませんでした。夕方、事務所から出ると、今朝聞いた声が近くの別荘のカツラの樹から聞こえてきます。慌ててカメラを持ち出してその場所に行くと逃げて飛んでいってしまいました。あきらめて、事務所に戻ろうとすると、電線の上で一羽のオスのコムクドリがいました。そして、そこから数メートル離れた電線の上にはメスのコムクドリがいました、と思ったら、オスが例の複雑なさえずりをし始め、メスが横っ飛びにオスに近づいてくるではありませんか。最後には、さえずりを続けるオスのすぐそばに並んでいました。ムクドリのイメージが強かったので、コムクドリがこんなすばらしい歌い手だとは思いもよりませんでした。
コムクドリは、森林性のムクドリの仲間。渡り鳥で毎年4月の中旬~下旬に、本州中部以北に渡ってきて繁殖を行います。さえずりが聞かれたということは、ひるがの高原周辺でも繁殖を行っているのかもしれません。
コムクドリのつがい
2011年5月15日 9:31 PM
タグ:コムクドリ, 野鳥