管理者ブログ 2013年05月

メボソムシクイ (2013年5月31日)

今朝、ミズバショウ池でシュレーゲルアオガエルが騒々しく鳴いている中、植物園の隣の林から、ちょっとゆっくりめのペースで「チョチョリ、チョチョリ、チョチョリ」という小さな鳴き声が聞こえてきました。鳴き声と鳴き声の間隔が長くて、もう鳴き止んだからと立ち去ろうとするたびに背中から聞こえてきます。どこかで聞いたことがあるような声だけど、思い出せないが、以前、長良川の源流碑へ向かう途中の林道で、たかすスノーパークの方から聞こえてきた鳥の声に似ていると思いました。でも、そのときはもっと速いテンポでチョリチョリチョリという感じでした。その鳥の名は、図鑑を見て思い出しました、メボソムシクイ。ちょっと聞きなれた声と違うけど、鳴き方に何通りかのパターンがあるのだろうと勝手に納得しています。メボソムシクイというと、高山の鳥ですが、この時期だけなのか、ひるがの高原ぐらいの標高(約900m)にもいるようです。

マルハナバチ (2013年5月30日)

マルハナバチは、花粉を運ぶハチです。ハチというと怖いイメージですが、いじめたりしなければマルハナバチはスズメバチのように近づいただけで人を襲うことはないと思います。ところが、最近はハチらしきものが飛んでいるだけで大騒ぎする人が多くて(そういう人はハチに擬態したアブでも大騒ぎします)、そんなに騒げばかえって刺されるのではないかと心配になります。スズメバチもアシナガバチも見かけたら騒がずに静かにその場を離れるか、動かずにじっとしていることです。ただし、知らずに巣に近づいたり触れたりたたいたり踏んだりして襲ってきたら全速で逃げましょう(刺されてから気づくことも多いですが)。
マルハナバチは名前は漢字で書けば、たぶん「丸花蜂」です。名前のように、丸っこくてずんぐりした姿で、花によくやってきます。マルハナバチは、花粉を運ぶハチとして重要で、植物の中には、マルハナバチに花粉を運んでもらわないと種子が出来ない、もしくは、出来る種子が少なくなってしまう種類もあります。マルハナバチの仲間は、国内に10種類以上いるということですが、近年減少しつつあり、その原因には、環境の悪化や外来種の影響などいろいろと考えられているようです。
ひるがの高原でも、マルハナバチは、ときおり見かけます。5月中は、種類は分かりませんが、黒っぽくて大きめのハチをよく見かけました。他にも2・3種類はいそうですが、まだ種を見分けられないです。
現在、東北大学や山形大学などの研究チームが、住民参加型での調査を行っています。GPS機能付きの携帯電話で撮影した写真を送ってもらうという方法でデータを集めています。興味のある方は、http://meme.biology.tohoku.ac.jp/bumblebee/をご覧ください。

トウゴクミツバツツジとユキグニミツバツツジ (2013年5月30日)

以前から、夫婦滝周辺のミツバツツジの種類を調べています。ミツバツツジの仲間は、ツツジ属の中でも特に分類が難しく、なかなか種類がはっきりしませんでした。一昨年に、夫婦滝に咲いていたものを望遠レンズで撮影し確認したところ、花柱(かちゅう、めしべ)の下半分に縮れ毛があることが分かり、トウゴクミツバツツジの可能性が高いことが分かっています。同じ特徴のミツバツツジが、お隣の高山市荘川町のあまご谷や六厩の軽岡でも見つかっています。一方、植物園のミズバショウ池のほとりに植えられているミツバツツジは、花柱に毛がないため、特徴から考えてユキグニミツバツツジとしていました。しかし、ユキグニミツバツツジには葉柄(ようへい)に毛がないことになっているのですが、園内のこのミツバツツジには、毛が生えており、この特徴は、トウゴクミツバツツジと同じです。これは、図鑑では分布域になっていないはずのダイセンミツバツツジの特徴と一致します。ダイセンミツバツツジは、鳥取県の大山から名をとられたツツジで、主な分布域は中国・四国地方で、長野県や山梨県(図鑑によっては愛知県)にも分布するとあり、分類上は、ユキグニミツバツツジはダイセンミツバツツジの亜種ということになっています。
昨年までユキグニミツバツツジの自生がひるがの付近で見つかっていなかったのと、葉柄の毛の色が図鑑にあるような褐色ではなく白色だったのでとりあえずユキグニミツバツツジということにしていました。そして、園内のミツバツツジはもしかしたら、ひるがの高原以外から移植してきたものだという可能性も捨てきれませんでした。これが、昨年までの状況です。ところが、今年になって、夫婦滝のトウゴクミツバツツジがほぼ終わりかけた頃に、そこから数百メートル離れた雑木林で、ユキグニミツバツツジと思われるおそらく自生のツツジが見つかりました。これは、図鑑どおりの特徴をもち、花柱にも葉柄にも毛がありませんでした。そういえば、何年か前に夫婦滝付近でも色が微妙に異なる2種のツツジが同時に咲いていたのを見たことがあるのを思い出しました。もしかすると、それは、トウゴクミツバツツジとユキグニミツバツツジだったのかもしれません。トウゴクミツバツツジとユキグニミツバツツジは近縁種で同じコバノミツバツツジ列という分類群に属していて、分布域が重なるところでは、両者の雑種に由来する中間的な種が出てくることも考えられます。

ユキグニミツバツツジ(2011/5/13 ひるがの湿原植物園)

ユキグニミツバツツジ(2011/5/13 ひるがの湿原植物園)


ユキグニミツバツツジ(2010/5/27 ひるがの湿原植物園)

ユキグニミツバツツジの葉(2010/5/27 ひるがの湿原植物園)
葉柄に毛があることが分かる。


トウゴクミツバツツジ(2011/5/16 夫婦滝)

トウゴクミツバツツジ(2011/5/16 夫婦滝)


ユキグニミツバツツジ(2013/5/21 ひるがの高原夫婦滝付近の雑木林)

ユキグニミツバツツジ(2013/5/21 ひるがの高原夫婦滝付近の雑木林)


ユキグニミツバツツジ(2013/5/25 ひるがの高原夫婦滝付近の雑木林)

ユキグニミツバツツジ(2013/5/25 ひるがの高原夫婦滝付近の雑木林)
葉柄に毛が無いことが分かる。

ユキザサ属3種について (2013年5月30日)

ユキザサ属は、ユリ科の多年草でひるがの高原周辺では、大日ヶ岳に3種類が自生しています。
ユキザサ、オオバユキザササ(ヤマトユキザサ)、ヒロハユキザサの3種類です。そのうち、ユキザサとオオバユキザサは、園内に植えられています。園内での花期は例年5月中旬頃から6月上旬頃、ユキザサの方が約1週間早いようです。ただし、今年は5月初旬から中旬にかけての少雨のため、ユキザサはほとんど花が咲きませんでした。今、オオバユキザサがつぼみを付けていますが例年より少ないようです。ユキザサとオオバユキザサは、ともに花の色が白いため、全体の大きさと花の時期とで区別しています。ヒロハユキザサは花が緑色をしているので他の2種との区別はやさしいです。
ユキザサは、北海道では「アズキナ」と呼ばれる山菜ですが、岐阜県では、「アズキナ」といえば、マメ科のナンテンハギのことで、同じく山菜として利用されています。

ユキザサ(2002/5/13 ひるがの湿原植物園)

ユキザサ(2002/5/13 ひるがの湿原植物園)


ユキザサ(2009/5/25 大日ヶ岳)

ユキザサ(2009/5/25 大日ヶ岳)


オオバユキザサ(2008/5/27 ひるがの湿原植物園)

オオバユキザサ(2008/5/27 ひるがの湿原植物園)


ヒロハユキザサ(2008/6/12 大日ヶ岳前谷登山道)

ヒロハユキザサ(2008/6/12 大日ヶ岳前谷登山道)

サワフタギとシロシタホタルガの幼虫 (2013年5月30日)

ひるがの高原で、5月下旬頃から咲き始める木の花にサワフタギがあります。
ハイノキ科の低木のサワフタギは、漢字で書くと「沢蓋木」の名の通り、沢沿いの湿った場所などに多く生えます。ひるがの高原では、湿原の周囲や水路沿いの低木の林や、湿った雑木林の林縁などに多く見られます。
サワフタギの葉によく付いている毛虫がシロシタホタルガの幼虫です。先日、あやめ沢湿原の木道沿いのサワフタギの葉の上に3匹見つけました。サワフタギの花は、まだつぼみでした。

シロシタホタルガの幼虫(2013/5/26 あやめ沢湿原)

シロシタホタルガの幼虫(2013/5/26 あやめ沢湿原)

東海地方で梅雨入り (2013年5月28日)

東海地方で梅雨入りした見られると発表がありました。昨年および例年より11日早い梅雨入りです。なお、昨年の梅雨明けは7月23日でした。ひるがのでも、夕方から雨の予報です。明日も、1日中雨の予報です。

ウスバシロチョウとムラサキケマン (2013年5月28日)

ムラサキケマンが咲く頃、ウスバシロチョウがよく園内に飛んできます。ムラサキケマンは、ウスバシロチョウの幼虫の食草で、おとなりの民家の畑の周辺にたくさん生えています。モンシロチョウなどのシロチョウ科の蝶ではなくて、アゲハチョウの仲間なので、ウスバアゲハという名前に変えようという意見もあるようです。
なかなか写真に撮るのが難しったのですが、一昨日の早朝、芝生の花壇のヤブカンゾウの葉にじっとして動かない雌を見つけました。なぜ、雌だと分かったのかというと、腹の下側に白っぽい袋がついていたからです。これは、交尾のあとに雄が雌につける交尾付属物(受胎嚢もしくは交尾嚢とも呼ばれる)と呼ばれるものだそうです。ウスバシロチョウは、色の変異が多くて、白っぽいものから黒っぽいものまであるそうです。この個体は全体に黒っぽくて、こういうのは日本海側に多いそうです。

ウスバシロチョウ(2013/5/26 ひるがの湿原植物園)

ウスバシロチョウ(2013/5/26 ひるがの湿原植物園)


交尾付属物を付けたウスバシロチョウの雌(2013/5/26 ひるがの湿原植物園)

交尾付属物を付けたウスバシロチョウの雌(2013/5/26 ひるがの湿原植物園)


ムラサキケマン(2013/5/28 ひるがの湿原植物園)

ムラサキケマン(2013/5/28 ひるがの湿原植物園)

コナラとミツバチ (2013年5月28日)

コナラは、高木になる落葉樹の中でも、葉が開く時期が遅い樹種です。今年は特に遅くて、今の時期がちょうどコナラの新緑の季節です。広がる途中の若い葉には白い毛が生えていて、新緑の時期には、薄緑色に見えます。
今朝、園内のコナラの下に来るとブーンと言う音がたくさん聞こえてきます。どうやら、ミツバチがコナラの花にたくさん来ているようでした。ニホンミツバチなのかセイヨウミツバチなのか遠すぎてよく分かりませんでしたが、近くに養蜂場があるので、来ていたのはセイヨウミツバチかもしれません。

コナラの花と新葉(2013/5/28 ひるがの湿原植物園)

コナラの花と新葉(2013/5/28 ひるがの湿原植物園)

ひるがの高原の自然情報 (2013年5月24日)

先週末ぐらいから割き始めたズミ、ウワミズザクラは咲き年のようで、かなり低い木でも花をつけています。コナラ、アカマツの花も咲き始めました。低木では、付近の丘陵地でオオカメノキに代わってミヤマガマズミが咲き始めています。ヤマツツジ、マルバアオダモも咲いています。

高原の道端では、低木のナツグミ、つる植物のフジ、アケビが咲いています。

水田や湿地ではシュレーゲルアオガエルがたくさん鳴いています。他にはヤマアカガエル、モリアオガエルなどの声も聞こえてきます。川ではカジカガエルが鳴いています。

週の中ごろ以降、カッコウ、ホトトギスともよく鳴き声が聞かれるようになりました。オオジシギのディスプレイフライトも朝夕、聞こえてきます。日中に行うこともあります。他には、イカル、クロツグミ、キビタキ、コムクドリの声も良く聞こえてきます。

ひるがの湿原植物園の自然情報 (2013年5月24日)

エゾイトトンボ、シオヤトンボ(雌)を確認しました(5/23)。
ツチガエルの声を聞きました(5/23)。

ひるがの湿原植物園の自然情報 (2013年5月22日)

ウスバシロチョウを確認しました(5/22)。
先日からサナエトンボの仲間が飛んでいましたが、タベサナエと確認しました(5/22)。

園内で今年初めてモリアオガエルの声を聞きました(5/22)。

ホトトギス初鳴き (2013年5月20日)

お昼過ぎに、ホトトギスの声を聞きました。今年、ひるがの高原で初めて聞きました。

お問い合わせはこちらへ
岐阜県郡上市高鷲町/高鷲観光協会
TEL 0575-73-2241(開園中)0575-72-5000(冬 季)
開園時間:午前9時~午後4時半
開園期間:4月下旬~10月上旬(定休日無)※変更の場合あり