管理者ブログ 2013年06月20日

大雨 (2013年6月20日)

ひるがの高原には、アメダスの雨量計が設置されています。昨日は、全国ニュースで紹介されるぐらいの大雨(降り始めから200mm以上)で、このところ梅雨に入ってもさっぱり雨が降らず心配していましたが、ようやく湿原植物にも雨の恵みがやってきました。今日も雨が降ったり止んだりです。明日は、大日ヶ岳登山のガイドをする予定でしたが、明日も雨の予報ということで夕方までに中止が決まってしまいました。

エンコウソウ (2013年6月20日)

もう花の時期はほぼ終わってしまいましたが、リュウキンカの仲間であるエンコウソウは、漢字で書くと、「猿猴草」で、「猿」はもちろん「猴」も漢和辞典で調べると「サル」という意味です。先日、園内を案内していたときに、「なぜ、猿なのですか」という質問がありましたが、そのときはなぜだったかうまく答えられませんでした。後で調べてみると、花の付いている茎(花茎)が、同属のリュウキンカが短く立ち上がるのに対して、エンコウソウでは、横に長く這い、それを「テナガザル(猿猴)の腕」に見たてたということらしいですが、テナガザルの腕を連想するとは意外な気がします。

エンコウソウ

エンコウソウ(2009/5/23 ひるがの湿原植物園)


リュウキンカ

リュウキンカ(2007/5/4)

エゴノキ (2013年6月20日)

昨日の大雨で大方散ってしまったかもしれないですが、今年はエゴノキの花がたくさん見られました。エゴノキの花は、5枚の花びらがその根元でくっついているので、散るときは花ごと下に落ちてしまいます。今日はあちこちで白い花がぼたぼたと落ちていることでしょう。
エゴノキという名は、果皮が「えごい(えぐい)」からということです。他にも別名があり、その一つに「ろくろぎ」というものがあります。以前から、どうしてそういう名なのか疑問に思っていましたが、和傘の骨を留める軸の部品のことを「ろくろ」といい、その材料がエゴノキだということを知りました。つまり、「ろくろ」の材料になるから「ろくろぎ」です。(その後、さらに調べてみると、ろくろで作ったもの全般を「ろくろ細工」もしくは単に「ろくろ」ということもあるようです。)ちなみに、岐阜市は和傘の日本有数の産地だそうで、和傘の部品「ろくろ」を作る人も日本全国で岐阜市内にただ一人いるだけようです。もうひとつの別名に「ちしゃのき」というのがあります。図鑑で調べると、ムラサキ科の高木にチシャノキという標準和名の種類がありますが、中部地方には自生しないようです。

エゴノキ(2013/6/17 ひるがの湿原植物園)

エゴノキ(2013/6/17 ひるがの湿原植物園)

お問い合わせはこちらへ
岐阜県郡上市高鷲町/高鷲観光協会
TEL 0575-73-2241(開園中)0575-72-5000(冬 季)
開園時間:午前9時~午後4時半
開園期間:4月下旬~10月上旬(定休日無)※変更の場合あり