管理者ブログ 2017年05月09日

ミズバショウの花はどれ (2017年5月9日)

毎年,この時期になると地元の小学校2年生の生活科の授業で,ミズバショウの話をしています。
その際に,かならず話題にするのが,「ミズバショウの花のつくり」についてです。白い部分は仏炎苞(ぶつえんほう)という名前がついており,形態学的には花弁ではないということなんですが,本来の花弁つまり形態学的な花弁はどうなっているかというと,真ん中の黄緑色や黄色をしている棒状の部分が,実は小さな花の集まりで,花弁は小さな4枚の黄緑色の花被片(かひへん)とよばれるものに退化しています。
そこで,あらためて「ミズバショウの花はどれですか」という質問について考えると,普通,ミズバショウの花といったら,白い部分も含めて花と理解していますが,チューリップの花と比較すると,チューリップの1つの花にあたるものは,真ん中の棒状の部分にたくさん集まっているということになります。花の集まりもしくは花の付き方を花序(かじょ)というのですが,ミズバショウの場合は,肉穂花序(にくすいかじょ)という名前で呼ばれています。肉穂花序を仏炎苞が包む形の花は,サトイモ科の植物の花に共通する特徴だそうです。

ミズバショウの花。白い部分は,仏炎苞(ぶつえんほう)とよばれ,花弁ではない。

ミズバショウの花(棒状の部分を拡大)。一つの花は,4枚の花被片と4本のおしべと1本のめしべからなる。おしべやめしべは花被片を押し上げて,一度にではなく順番に出てくる。

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