ひるがの高原の自然について (2019年1月17日)
6年ほど前に、あるシンポジウムで「ひるがの高原の自然生態系」について話をしてほしいと頼まれました。一般向けだから、ひるがの高原で見られる動植物の紹介をすればよいと思ったのですが、それならば「ひるがの高原の動植物について」の方がいいのではないか、「自然生態系」とは仰々しい言葉だなあと感じました。
「自然生態系」という言葉は、「自然」と「生態系」という言葉に分けられます。「自然」という言葉のもつ本来の意味は、広辞苑とかで調べたわけではないけれど、「人間がかかわっていない」という意味だと思います。生態系は外国で作られた概念を日本語に訳したものだったはず。それは、私はそれを簡単に言うと「ある環境とそこにすむ生物を一つのまとまりとして考えたもの」だと思っています。なので、自然生態系は「人間がかかわっていない」「環境とそこに住む生物を一つのまとまりとして考えたもの」となるわけです。
ところが、何十年にもわたってひるがの高原全体が様々な人為的な影響を受けているわけで、厳密な意味で「ひるがの高原の自然生態系」というのは現在では存在しません。だから、冒頭にも書いたように「ひるがの高原の動植物について」の方がいいタイトルではないかと思いました。しかし、もし、人間の影響を受けていなかったとしたら、ここにはどんな「自然生態系」があるのかについて考えてみるのは、ひるがの高原の現状について考えてみる上で役に立つと思います。
というわけで、これまでひるがの高原について調べたことのまとめと自分自身の勉強も兼ねて、しばらくこのブログでシリーズとして「ひるがの高原の自然」について考えてみたいと思います。
2019年1月17日 8:53 AM
タグ:ひるがの高原の自然