レッドリストの鳥類

ひるがの高原周辺でみられるレッドリスト(環境省および岐阜県)に掲載されている鳥類です。鳥類については、昔から野鳥の会の探鳥会などがよく開かれており、探鳥のガイドブックなどにも紹介されるため比較的データは多いと思います。ひるがの高原は、岐阜県内で近年確認されているオオジシギの唯一の生育地です。例年、5から8カ所のなわばりが確認されていますが,平成26年以降急激に減少しています。同じく高原の鳥であるホオアカは、昭和50年代初めごろまではたくさんいましたが、現在では2カ所程度しか見ることができず、繁殖しているかどうかも不明です。ウズラは昭和60年代以降観察報告がありません。以下では、猛禽類(ワシ・タカ類)は調査不足のため掲載していませんが,ハイタカ,ハチクマ(いずれも環境省・岐阜県の準絶滅危惧)は近年目撃されています。保護地の面積は少なくそれ以外の生育環境が年々少しずつ悪化しているため、高原の鳥たちにとっては危機的な状況であるといえます。

平成25年現在、保護地、非保護地とに分けて観察状況を示してあります。保護地には、岐阜県天然記念物指定地3カ所、ひるがの湿原植物園、ポケットパークの湿原(郡上市の土地)の計5カ所の湿原が含まれています。記号の意味は以下の通りです。
○:比較的多い、△:少ない、?:5年以上観察されていない、×:10年以上観察されていない

和名 科名 生育地 保護地 非保護地 岐阜県初版
(平成13年)
岐阜県改訂版
(平成22年)
環境省第4次
(平成24・25年)
オシドリ カモ科 ×   準絶滅危惧 情報不足
ヨタカ ヨタカ科 林・草地 ×   準絶滅危惧 準絶滅危惧
ハリオアマツバメ アマツバメ科 林・草地 ×   情報不足  
オオジシギ シギ科 湿原・牧草地 絶滅危惧Ⅱ類 絶滅危惧Ⅱ類 準絶滅危惧
フクロウ フクロウ科 ×   準絶滅危惧  
ヤマセミ カワセミ科 池、河川 × 準絶滅危惧 準絶滅危惧  
アカショウビン カワセミ科 × 準絶滅危惧 準絶滅危惧  
サンショウクイ サンショウクイ科 × 準絶滅危惧 準絶滅危惧  
コサメビタキ ヒタキ科 ×   準絶滅危惧  
トラツグミ ツグミ科 ×   情報不足  
ホオアカ ホオジロ科 湿原・牧草地 × 準絶滅危惧 準絶滅危惧
ノジコ ホオジロ科 × 情報不足 準絶滅危惧 準絶滅危惧

参考サイト:
岐阜県レッドデータブック初版
岐阜県レッドデータブック動物編改訂版
環境省 第4次レッドリストの公表について
なお,環境省レッドリストの最新版に関しては環境省レッドリスト2015を参照してください。

参考文献:
レッドデータブック2014 2 鳥類,環境省編,2014年
岐阜県の絶滅のおそれのある野生生物2001,岐阜県健康福祉環境部自然環境森林課編 岐阜県,2001年

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岐阜県郡上市高鷲町/高鷲観光協会
TEL 0575-73-2241(開園中)0575-72-5000(冬 季)
開園時間:午前9時~午後4時半
開園期間:4月下旬~10月上旬(定休日無)※変更の場合あり